「原価コストを上手に下げるポイント その2(固定費)」
梅雨入りしたと思ったら連日の猛暑、季節の移ろいの早さを感じる今日この頃です。皆さん如何お過ごしですか?今月は先々月からの連載テーマである「原価コストを上手に下げるポイント(固定費編)」についてご紹介したいと思います。
固定費とは、操業の変動に関わらず毎月支出を余儀なくされるコストですが、それ故に「身の丈」に合わせたコントロールが重要になります。添付のように、売上に比して固定費のウエイトが高いとどうしても利益を上げづらい傾向になり、人件費や原材料費を無理に削って店の競争力を自らが毀損してしまう悪循環に陥ってしまうことになるからです。
では、具体的にはどの点に注意して管理すればよいのでしょうか。私はクライアントに以下の5点についての支出の適否を検討するように指導しています。
1:店舗の設備投資返済額
2:店舗の内外装投資(修繕費含む)返済負担額
3:家賃
4:販売促進費用
5:オーナー管理費
の5点です。
1と2については、店が狙うコアターゲット層のニーズにフィットしているか否かが第一のポイントになります。言葉にすると簡単ですが、貴方の店の周りでは絶えず多くの競合店舗が出現しては消えています。お客様目線で、店が取り込もうとしている客層のニーズを「この店舗でキチンと吸引できるか否か?」を見極める目を持つことが必要になります。私の場合は、店舗の想定商圏内に流入する可能性のある通行客、居住者、観光客等を対象に「飲食店利用実態」を調査することで、このポイントを精査しています。
3の家賃については、入居物件がそもそもどの位収益をどの位生み出すことが出来るのか?と言う物件の収益性について、地元事情に詳しい不動産鑑定士さんと協議し理論的なデータを先ず揃えるよう指導しています。その上で、事業計画を家主に説明することで家賃交渉を小まめにすることをお奨めしています。「家賃=決まったコスト」と考えるのではなく、家主ニーズを想定することで、店の交渉力を高めることが重要です。一般的には家賃は売上の3〜4日分とか1割とかアドバイスするコンサルタントもいますが、販売促進の精度如何で立地のハンデを補うことも可能なので、地域の物件情報をこまめに研究し、このコストの適正化に努めて欲しいと思います。
4の販売促進費ですが、これが実は大変重要です。何故ならば多くの店主は、この費用を売上に連動した変動費として捕らえているからです。確かに売上に変動してこの費用をコントロールすべきだと言う考え方にも一定の合理性がありますが、本来この費用は店のコンセプト実現費用とも解釈出来ます。結果管理ではなく、店のブランド力強化のために計画的な投資が望まれます。例えば、初年度は「店の認知度向上」をメインテーマに決めたのならば、地域ブログへの情報発信や有力団体、企業に向けたアプローチ費用として予め計上し投資対効果の検証を実施すべきです。こうした行為が店独自の経営ノウハウの蓄積になるからです。周年行事やポイントカード、地元誌へのお付き合い広告の出稿等、使途目的は希薄な事柄に関してはこの際、ゼロベースから見直して下さい。
5のオーナー管理費についても精査が必要です。一般的にはテナント管理会社、SCのデベロッパーや運営会社への支払いコストですが、反対給付としてどんなメリットを獲得出来るのかをしっかり理解する必要があります。この費用は運営サイドと店側の相対交渉が基本なので、いたずらに反目するのではなく、自店の貢献価値をどのように高めるのか?について交渉相手と平素からすり合わせる努力をしてみて下さい。
今回で3回に渡って「コスト管理」についてコメントしましたが、要は固定観念を持たずに「あれ、何か変だな?」と感じたことに関して行動を起こして欲しいのです。
結構、当たり前と思われたことに論理的な根拠がなく、コストが無理なく削減できる可能性があります。皆さんの健闘お祈り申し上げます。
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