| 平成18年10月16日にNPO法人酒類業フォーラムが主催する「勝沼ワイナリー視察ツアー」が開催され、総勢20名の参加者が勝沼のワイナリーを訪ねた。今回訪問したのは、メルシャン勝沼ワイナリー、シャトレーゼ勝沼ワイナリー、盛田甲州ワイナリー、蒼龍(そうりゅう)葡萄酒、山梨ワインの五つのワイナリーである。
1.和食に合う甲州ワイン
8時30分に新宿を出発しメルシャン勝沼ワイナリーに到着、山梨ワイン酒造組合三役のお話を伺った。130年前の1877年(明治10年)に2人の青年が渡仏し、帰国後ワイン造りを創めたのが山梨ワインの起源である。現在、県内のワイン製造業者は74者に上る。日本における国産ワインのシェアは35%で、北海道、山形、長野等との産地間競争が激しくなっている。外国ワインに比較すると原料コストが高く、チリの20倍に上る。海外ワインとの価格競争は難しく、1,500円以上の価格設定でないと採算が取れないのが現状である。首都圏でのPRに力を入れており、新宿センチュリーハイアットでの試飲会&商談会は3回目の開催となり、11月3日〜4日に実施される日比谷公園での新酒ワイン祭りは20回目を迎える。
酒類業フォーラム会員の和食とワインの相性に関する質問に対して、甲州は和食、特にすしに合うことを強調された。勝沼のワイナリーでは、外国種のぶどうも栽培されているが、甲州が代表種である。甲州と和食との提案にもっと力を入れることも必要であろう。
2.お菓子のシャトレーゼがワイナリーを経営
シャトレーゼ勝沼ワイナリーは、洋菓子のフランチャイズチェーンを展開するシャトレーゼのワイナリー部門である。1億円強を投資してワイナリー事業を始めた。製造本数は20,000本程度で、主に自社が展開するレストランで使用している。自社農園でのぶどう栽培に力を入れており、シャルドネやソーヴィニョン・ブラン、カベルネ・ソーヴィニョンやメルロー等の外国種ぶどうを栽培している。垣根作りのぶどう畑が広がっている。
3.愛知県常滑市でワイン作りを始めたシャモリワイン
盛田甲州ワイナリーのレストランシャンモリで昼食を取り、シャンモリワイナリーを訪ねた。盛田でのワイン造りは、1881年(明治14年)に現在の常滑にぶどう園を開き、醸造用ぶどうの植え付けを開始したのに始まる。山梨でのワイン作りに遅れること4年である。生憎、数年後に害虫の猛威によりぶどう園は壊滅したが、約90年の時を経て勝沼でワイナリーを再開した。試飲コーナーでは待ちかねたように、甲州、シャルドネ、カベルネ・ソーヴィニョン等、今日最初のワインを試飲した。
4.山梨の地ワインの雰囲気が漂う蒼龍葡萄酒
社名の蒼龍は、中国の故事にある東西南北の東を守る神様で、幸せを呼ぶ神とも呼ばれている。1899年の創業で、山梨の地ワインの雰囲気が漂うワイナリーである。棚には、720ml瓶に混じって1.8L瓶のワインが並んでいた。鈴木社長が丁寧に案内してくれた。ラベル、瓶詰め等の機械、タンクもイタリア製で日本製よりもはるかに安く、デザインも良いとのことである。試飲室で鈴木社長のレクチャーを受けながら、数種類のワインを試飲した。
5.母屋を資料館とした山梨ワイナリー
勝沼にあるぶどう栽培農家が集まって協同組合を設立し、本格的にワイン作りを始めたのが山梨ワインの前身である。築100年以上経過した母屋を資料館、試飲室として活用している。良いワインは良いぶどうからをモットーに、減農薬栽培による自家園産のぶどうの品質を高めることに重点を置いている。平成10年よりシャルドネやカベルネ・ソーヴィニョンの垣根栽培を始めている。地下の石造りの貯蔵庫には、当社の熟成用ワインやお客様から預かったオーナーワインが貯蔵されている。オーナーワインは50本以上のロットで10年まで、安価な保管料で貯蔵できるシステムである。
6.ワイナリーオーナーを交えての懇親会
古屋山梨ワイン酒造組合会長による挨拶で、ワイナリーオーナーを交えての懇親会が始まった。会長より、酒造組合としては首都圏での付加価値の高いワインの販売増を目指しているが、地元に根ざしたワイン文化を深めていくことも重要であるという話が合ったが全く同感である。山梨県ではワインとは言わずぶどう酒と言う。建前やお祝い事にもぶどう酒を贈るし、決して気取って飲むお酒ではなく、普段の生活で気軽に楽しむお酒である。そんなぶどう酒文化が広がれば、生活に浸透したお酒の仲間入りが出来るのではないか。
多くのワインオーナーのお話を伺い情報交換をしながら、おいしいワインと食事を満喫した。最後にワイナリーツアー参加者からワインオーナーに、それぞれのメッセージを伝え閉会となった。造り手の想い、勝沼のワイン文化に触れた1日であった。
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